演出家を目指して入った劇団四季を退団した石坂浩二は、再び俳優として大きな注目を浴びることになる。

 1968年7月から帝国劇場で上演された「マノン・レスコオ」で、那智わたるの相手役に抜てきされたのだ。起用を決めたのは、東宝の重役で同公演の製作・演出を担当する菊田一夫だった。

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