読者の皆さんから、身近なテーマについてコメントを募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。「終活」に、たくさんの投稿をありがとうございました。紙面には全ての投稿を載せられていませんが、Sデジでは全ての投稿を読むことができます。記者の雑感もありますので、お楽しみください。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)
1.高齢出産のため、私の還暦時に20歳になる一人娘がいます。後々困らないように、なるべく私と一緒に家事全般をするようにすることを「終活」と心がけてきました。私が両親、祖母に小さい頃から自然に学んできたこと、例えば神仏に感謝をすること、お墓参りやお盆のちょうちんを出すこと、料理はレシピを作ろう、と2人で話します。小さい頃は遊びながら一緒に手伝ってくれましたが、成長するにつれ「イヤイヤ」になってきました。「早く1人暮らしをしたい」とも言いますので、すんなり自立できるよう向き合っています。あとは、彼女が自分なりのやり方を見いだしてくれれば、こんなにありがたいことはありません。(Mikitree)
2.今年父親が亡くなり、葬儀、相続、生命保険金などの手続きが発生しました。貯金や生命保険金については父の生前に話をするのがはばかられたため、あまりしませんでした。母親は家計や家の管理を全て父に任せていたため、長男の私が書類をそろえることに苦労しています。生前家族が元気なうちに、相続など大事な話をしておくことをお勧めします。(zubonnotake)

3.1番に考えるのは「家」ですね。昔のように子どもが家を継ぐと言う風習はなくなってきているためか、周りには空き家がたくさんあります。うちも例外ではなく、はたして退職後に帰って来てくれるのか、決まっていません。長い間こっちで生活していないので、地域との付き合い方も分からないだろうし。お盆に集まっても、こういう話は難しいですね。(雲南の田舎)
4.父が亡くなる3カ月前、お墓をお寺の納骨堂に移すこと、遺産相続は、弁護士を通して公証役場に持っていくよう言われた。これが終活か、と思った。父の言う通りにした。私はその時、70歳。私の人生はまだ長い。趣味に生きようと、10年以上ブランクがあったピアノを再開した。ただピアノを弾くだけでなく、コンクールに出ていろんな人の演奏を聞こうと思った。そうするうちに、動画をYouTubeに載せてくれる人に出会った。今はコンクールに出ること、YouTubeに載せてもらうこと、そのために毎日ピアノの練習に励んでいる。楽しい。YouTubeの人は、88歳までガンバレと応援してくれる。これが私の終活なのかな。(ドルチェ)
5.私の母は、特養で5年間お世話になりました。最後の10日間は、施設のご配慮により、みとりで一緒に過ごしました。命日は、素晴らしい1日となりました。早朝に朝日が昇り、天空には月天子が出て、つがい(夫婦)のカモに出会い、夜は、空を真っ赤に染める夕日でした。私が夕日を撮りに出て帰り、10分後に母は逝きました。私を待っていてくれました。やりきったので、何の悔いもありません。母に携わってくださった介護士、看護師、職員の皆さんが、退勤後にもかかわらず、戻ってきてくださり、お一人お一人が、母にお別れの言葉をかけてくださいました。本当に感動しました。「心こそ大切なれ」です。お別れの時、母の好きだった「二輪草」を流してあげました。「ありがとう」の言葉しかありません。偉大なる母に報恩感謝です。本当にありがとう。(meiwa)
6.私の場合、コロナが広がる前から自分の葬儀は家族だけで、と娘に話してあります。盛大な葬儀をすれば成仏出来るものではなく、生きているうちの行いが大事。だから、質素で構いません。ただ、私の好きな曲、EXILEの「道」と、SMAPの「世界にひとつだけの花」をお経代わりに流してほしいとリクエストしています。
7.私は、乳がんと診断されたときに1回終活をしました。私じゃないと捨てられないものを考えたら、まず、子どもの小学校の教科書と絵本でした。教科書はリサイクルに出しました。絵本は近所の幼児にあげました。いろんな思いがありましたが、思い切りました。スッキリして良かったです。(やっこ)

8.夫の入院をきっかけに、遺言書のことが頭に浮かんだ。とりあえず全ての財産を妻(私)が相続。私が夫より先に死亡した時には子どもたちに財産を相続するという趣旨。子どもたちにその旨を伝えると、「子どもの方から遺言書のことは言いにくいけど、親の方から言ってもらうとありがたい」と・・・。元気なうちに今後のことを子どもたちに伝えておきたいです。(まだまだ元気な夫婦)
9.子どもの頃から家族ぐるみで親しくしていた友人のお母さんが亡くなり、実の母が亡くなったかのように悲しみに暮れました。お父さんは仕事一筋で、家事はお手上げの人。結局友人が実家に通い、家事や炊事など世話をしているようです。友人は、仕事が大変な中、お父さんのお世話も大変だ、とこぼしていました。連れ合いに先立たれても、自分の身の回りの家事は自分でできるように練習しておくことも終活の一つではないか、と思うようになりました。(藍)
10.若い頃に買った高値の服やバッグ、アクセサリーなど、もう60歳も過ぎれば必要ないので、人にあげるなどして処分しています。もうこれと言って欲しいものもないし、子に残してやれるものもないので、収入があれば、今のうちに孫に投資しています。これが私の終活かな?
11.祖父母の家(両親のそれぞれの実家)もだし、自分の実家もだし、これから先住む人がいなくなったらどうするのだろう? と、思う時はあります。私もおそらく実家へは戻らないでしょう。でも、何か行動を起こすまでには至りません。両親は生きているうちに実家を売り払ってマンションへ移るなどと口では言っていますが、実現するか不明です。子どもとして何ができるのか…考えていますが答えは出ません。
12.還暦を迎えた頃から、平行線から下降線を感じ、終活を意識するようになりました。気持ちはまだ若い頃と変わらないのですが、体力となるとそうはいきません。断捨離も体力勝負。リサイクルに出したり思い切って処分したりしたものもありますが、迷ってまたしまってみたり…。多分、人生の最期までにパーフェクト、なんて無理でしょう。日々、自分のできる範囲でやるしかないと思っています。(なるべく頑張ります子)

13.結婚後、初盆のお墓参りをしましたが、立派なお墓や仏壇を目の当たりにし、「これは、ゆくゆくは誰が管理するんだろう。。。」と先のことを考えてしまいました。わたしは生きている人には迷惑をかけたくないので、骨は合法的に自然に還せるものなら、還してほしいと伝えようと思います。ただ、お盆に故人に思いをはせて、平和な世の中を考えたり、普段話をしない人と話をしたり、故郷をおもったり…その時間は、豊かな時間だと思います。
14.自分の終活もですが、山間部にある実家の家を将来どうしようかと悩むときがありました。子どもたちは暮らしたことのない場所です。負の遺産だと思う時もありましたが、2拠点暮らしというのも選択肢のひとつとなるのかな、と考え直しました。故郷があることは幸せなことです。最近は、明日のこともわからないのにあれこれ考えず、子どもたちに負担をかけないよう楽しみながら、ものを持たない、今以上に人との付き合いを広げないような小さな生活に変えていこうとしています。(日々是好日)
15.祖母が1人で暮らしていた父の実家は遠方にあり、お墓も近くにありますがコロナ禍に入って以降、行けなくなりました。そうしているうちに祖母も施設に入ることになり、現在は空き家になってしまいました。思い出がたくさん残る「おばあちゃんち」をこれからどうするか(多分、更地にするのかな…)話し合わないといけないですよね。悲しさからつい現実から目を背けてしまいます。(とんび)
記者雑感 断捨離、元気なうちに
昨年、急病を患い入院・手術した経験から、人生いつ何か起きるか分からないと、身をもって感じました。30代も半ばに差し掛かり、健康に自信がなくなってきたと同時に、還暦を迎えた親の老いゆく姿も気になり始めました。
親は、実家の断捨離を進めています。まだまだものはありますが、納戸や物置が少しずつスッキリしてきました。この作業を、親の死後、自分1人でやることになっていたら…と想像すると、気が遠くなります。やはり元気なうちに、身の回りのものは責任を持って片付けておくべきだと強く感じているところです。
日頃から、ものをため込まないことを意識するようにもなりました。終活は一朝一夕にできるものではありません。いずれ訪れる人生の終わりを、自分も、家族も、穏やかに迎えられるよう、今からできることを少しずつ進めていきたいです。 (担当記者)
次回テーマ 「地方の暮らし、煩わしい?」
次回のテーマは「地方の暮らし、煩わしい?」です。ライフルホームズ総研の2021年調査で、女性の生き方として保守的、革新的な考えをそれぞれ提示し、当てはまる度合いを評価した「寛容性ランキング」で、島根県は全国で最下位でした。閉鎖的と言われる地方。だからこそ守られている文化や風習もありますが、煩わしさもありますよね。率直な意見や経験談をお聞かせください。コメントをツイッターとLINEで募ります。ツイッターは「 #さんコメ 」をつけて、つぶやいてください! 匿名OK。ペンネームがあるとうれしいです。9月中旬に特集を組みます。