山陰中央新報社が運営する「子どもご縁食堂」が4日、松江市殿町にオープンした。社員と地域住民がボランティアスタッフを務め、親子連れ18人が会話を弾ませ夕ご飯を楽しんだ。
多世代の人が交流しにぎわう場を設けようと、山陰中央新報社が殿まちギャラリーを改修し開設した。島根県内は今年8月末時点で子ども食堂が53カ所あり、2020年秋時点の11カ所と比べ急増。新聞社が食堂を開設して情報発信することで、取り組みと支援の輪をさらに広げる願いを込めた。
オープン前のセレモニーには南殿町商店会の岩田久幸理事長、南殿町町内会の坂本拓三会長らが出席。山陰中央新報社の松尾倫男社長が「いろいろな人が立ち寄る新しい居場所にしてもらいたい」とあいさつした。今井書店グループと島根県立大とが協力し、保育教育学科の学生による絵本の読み聞かせもあった。
夕方になると食堂内に、食欲をそそるカレーライスのにおいが漂い始め、カボチャやトマトをふんだんに入れた夏野菜カレーが振る舞われた。待ちかねた子どもたちは家族と楽しげに話をしながらぺろりと平らげ、元気におかわりもして味わった。
親子で参加した松江市古志原5丁目の会社員木村ももこさん(41)は「娘とゆっくり食事するのは久しぶりで、こんなに野菜が好きだったとはびっくり」と話し、娘の花梨さん(7)は「カボチャがおいしかった」と満足そうだった。
食堂は毎月第2、第4水曜日の午後5時45分から同7時45分に開き、祝日の場合は前日開催。大人300円で高校生以下無料。申し込みは公式LINEアカウントか電話で開催月の前月下旬から受け付ける。10月は12、26日に開催予定で26日は定員(20人)に達した。問い合わせは山陰中央新報社子どもご縁食堂担当、電話080(2928)9016。平日午前10時から午後5時まで。
(中島諒)