車のヘッドライトで白く光る路面=松江市内
車のヘッドライトで白く光る路面=松江市内

 年齢を重ねるごとに、世の中の技術の進歩についていけない場面が増えてきた▼夜間の車の運転で、対向車のヘッドライトをまぶしいと感じるのもその一つ。ご存じの通り主流はLED(発光ダイオード)ライトになりつつある。明るくて頼もしい。寿命は長い▼だが、向こうからやって来ると、ロービームであっても、光が届く角度が従来のハロゲンライトよりも広いからなのか、ものすごくアピールしてくる。八方に広がる光の筋がとてもきれいなため、「見るな」と言われてもつい見詰めてしまい、目くらましに遭う。市街地で、幹線道路から細い路地への曲がり所を何度か見逃してしまった。雨の日は路面が白光りして、余計に見にくい▼ライトの色や、道を照らす明るさの程度は保安基準で決まっており、公道を走る車は車検をパスしているから、やたらと文句を言うわけにもいかない。後ろに荷物を積んで車体が上部に傾き、ヘッドライトの照射軸がずれた時でも、自動調節する機能を備えるなど、技術の上に技術を積み重ねた配慮もある▼かく言う自分も、ヘッドライトはLED。逆に対向車から「まぶしい!」との警告とおぼしきハイビームを当てられることも度々ある。秋が深まるごとに夜は長くなる。運転の基本に立ち返り、適時に視点をやや左前方に移すことと、リスクを考慮しつつ速度管理する謙虚さを心に持ち続けるしかない。(万)