2年ぶりとなる2人展を開いた永岡郁美さん(左)と、川﨑麻央さん(右)=東京・銀座、かわべ美術
2年ぶりとなる2人展を開いた永岡郁美さん(左)と、川﨑麻央さん(右)=東京・銀座、かわべ美術

 日本画家として東京で活躍している川﨑麻央さん(35)=益田市出身=と、永岡郁美さん(35)=出雲市出身=による2人展が22日、東京・銀座のギャラリー「かわべ美術」で始まった。10年以上の付き合いがあり、互いを「戦友」と呼ぶ2人が、神楽や動物を題材に描いた10点が来場者の目を引く。31日まで。

 2人は高校卒業後、名古屋市内の同じ美術系の予備校で学んだ後、東京都内の大学に進学。現在は川﨑さんが東京芸術大、永岡さんが多摩美術大に勤務しており、ギャラリーのオーナーの提案を受けて2018年から2年に1度、2人展を開いている。

 3回目の今回は「個人の作家性を出す」ことを重視。作風が異なる2人が新作各5点を並べた。

 今年秋の「再興第107回院展」で、最高賞「大観賞(日本美術院賞)」に輝いた川﨑さんは、受賞作でも用いた幼少期の記憶を下敷きにする手法で創作。石見神楽を見に行った後、眠りに就き、夢にも登場する様子を、黒板のような懐かしい緑色の背景で表現し「日常の中にある神楽を描きたかった」と話した。

 動物のスケッチに定評のある永岡さんは、人見知りの白馬が寄り添う別の馬越しに見せた自然体の表情を切り取って表現。川﨑さんの活躍に「刺激を受けた。体調に気をつけて頑張ってほしい」と気遣った。

  (原田准吏)