島根県美郷町は町内の事業者にイラストや紹介記事を無償で提供するデザイン制作事業に取り組む。町魅力再発見プロジェクト「みさとと。」と同じ雰囲気の絵柄や文体にして官民一体で町魅力再発見プロジェクトを盛り上げることで、町や事業者の認知度向上につなげる狙い。
 (川本支局長・佐伯学)

 町は情報発信力の強化を重要施策に掲げ、2019年から、デザイン会社「シフトブレイン」(東京都)と連携してプロジェクトを推進している。独特なタッチの山くじら(イノシシ)や石見神楽、江の川のアユのイラスト、関連する町民を紹介する記事を盛り込んだPRサイトやタブロイド判新聞などを制作した。

美郷町魅力再発見プロジェクト「みさとと。」のPRサイト


 プロジェクトは20年、二つの世界的に権威のあるデザイン賞を受賞し、国際的に評価された。イラストは町内の案内看板や町のパンフレット、グッズなどに使用されている。

石見神楽や江の川のイラストが入った看板=島根県美郷町長藤、道の駅グリーンロード大和
山くじら(イノシシ)のイラストが入った看板=島根県美郷町乙原

 民間事業者とのデザイン制作事業では、シフトブレインが22年度中に事業者をイメージできるイラストを制作し、取材して記事を執筆する流れ。

ひなびた温泉日本一の千原温泉を案内する看板=島根県美郷町千原



 事業者は提供されたイラストをホームページやSNS、チラシ、グッズ、看板など自由に活用できる。イラストと記事は町ホームページに掲載される。介護施設や旅館など9事業者の利用を見込み、町ホームページ改修費なども含めた総事業費約1200万円は国の地方創生臨時交付金を充てる。

 町情報・未来技術戦略課の矢渡正宏係長は「官民の相乗効果で『みさとと。』の世界観を発信したい」と話した。