十六島海苔を摘み取る北浜小学校の児童=出雲市十六島町
十六島海苔を摘み取る北浜小学校の児童=出雲市十六島町

 出雲市十六島(うっぷるい)町の北浜小学校5、6年生が12日、特産「十六島海苔(のり)」の摘み取りと干し作業を体験した。児童は波の音を聞きながら岩場に付いた黒く光る宝に触れ、地域の伝統を学んだ。

 高級岩ノリとして知られる十六島海苔は奈良、平安時代には朝廷に献上され、古くから珍重された。香り豊かで、きめ細かく、黒紫色をしているのが特徴。作業体験は貴重な地域資源を学ぶ目的で長年、実施している。

 通称「学校島」と呼ばれる岩場で児童6人が、地元ボランティアの手ほどきを受けて丁寧に手で摘み取りした。児童はざるいっぱいに収穫し、誇らしそうな表情を浮かべた。6年の錦織璃寿(りず)さん(12)は「摘み取りは楽しかった。日本中で誰もが知っているノリになってほしい」と話した。

 摘み取り後、児童はノリを学校に持ち帰り、木枠内に均等な厚さになるよう広げて乾かす作業にも取り組んだ。
      (藤原康平)