浜田市議と意見交換する有野夢叶さん(右)=浜田市殿町、浜田市役所
浜田市議と意見交換する有野夢叶さん(右)=浜田市殿町、浜田市役所

 島根県立大(浜田市野原町)1年の有野夢叶さん(19)が、市議の仕事や地域づくりを学ぶインターンシップ(就業体験)に参加している。12月定例会議の傍聴を続け、14日は市の活性化策について市議と議論。議会の仕組みや物事の決定過程に理解を深めた。 (中村成美)

 5日に市議3人と初顔合わせし、議員になる前の職歴や市議になった理由を質問した。定例会議では個人一般質問と委員会を傍聴してきた。

 14日の市議との議論では産業振興と環境負荷低減の両立に向け、市に水素自動車用ステーションを設置することを提案。市議からは国の補助金活用や、既に一部で実施されているとして、手始めに浜田港で温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を進めてはどうかといった意見が出た。

 有野さんは愛知県豊田市出身で4月から県立大国際関係学部で学ぶ。トヨタ自動車の関連会社に勤める父親の影響で、労働組合の会報誌を読むなど幼少期から政治に関心があった。今夏は自ら企画して国会議事堂を訪れ、自動車総連出身の議員秘書らと参議院の役割について意見交換した。

 インターンは有野さんの政治への興味を知った県立大が参加を打診し、市議会主催で実現した。議会傍聴は初めてだった。

 有野さんは、議会で市議が市担当者とやりとりするのを見て「市議の郷土愛を感じたし合意形成のプロセスの一端を理解できた」と笑顔を見せた。市議で議会広報広聴委員会の三浦大紀委員長は「議会に興味を持ってもらう入り口づくりを今後も考えたい」と話した。

 インターンは、若者の投票率低下や議員のなり手不足解消を目的に、市議会が県立大と連携して初めて企画した。有野さんは定例会議最終日の19日まで続ける。市議会は21日にも大学生を招き市議とのグループ討論会や、学生が講師となり議員が学ぶ交流サイト(SNS)講習会を開く。