※アプリをご利用の方は写真をタップし、左にずらすと複数の写真をご覧になれます


【写真特集】隠岐の海の軌跡 離島が生んだ「イケメン」名力士
【写真特集2】熱戦繰り広げる隠岐の海の勇姿 白鵬、日馬富士、照ノ富士らと名勝負も

 隠岐の海(本名・福岡歩)の恵まれた体格や強靱(きょうじん)な精神力は古くからの相撲文化が根付く隠岐の島町で育まれた。角界に飛び込むきっかけになった運命的な出会いも島が舞台だった。

 「この親方なら(一緒に)東京に行ってもいいかな、と強く感じた」

 14日の引退会見。隠岐の海は隣に座る八角親方(元横綱北勝海)と初めて出会った時のことを、こう振り返った。

 隠岐水産高校卒業後、同高専攻科に進み、航海士を目指していた2004年12月。航海実習での厳しい上下関係や狭い船内での生活に悩み「このままでいいのか」と迷いが生じていた時にスカウトのため島を訪れたのが八角親方だった。

 住み慣れた島を離れての相撲部屋への入門は、当時19歳の青年にとっては大きな決断だったに違いないが「全然しゃべらなかったけど、格好良かった」と親方の人柄にひかれ、1週間で部屋入りを決めた。

 八角親方に出会うまで角界入りを強く意識することはなかったが隠岐の島町は古典相撲を継承する相撲の盛んな土地柄。土俵は幼少期から身近な存在だった。

 初めて土俵に上がったのは町内の保育所に通っていたころ。「子どもの時からやらせなければ...