<短歌>

 ◇歌林短歌会(松江市)

茗荷の子朝に刻めばまな板に匂い残りてひと日のすがし 酒井 悦子

安否確認それだけ言ひて帰る子を見送るだけの幸せもあり 太田  薫

金色になっていくとき木の葉たち神様に捧ぐハミングをする 天野 和子

思い出の風鈴こわされ息をのむ叱るに叱れぬ孫の仕業に 門脇 泰子

ひと時と思いし誤算秋の日は思わぬ早さに暮れてゆくなり 安部 歌子

賑やかに祖父母が揃う晴れの日の男の子は少し甘えん坊に 木下みゆき

青鷺が我が築山に降り立ちぬ長居の気配に胸の高鳴...