除雪作業をするボランティア=島根県飯南町赤名
除雪作業をするボランティア=島根県飯南町赤名

 県内有数の豪雪地帯・飯南町赤名地区で、地元住民有志がボランティアで、通学路や高齢者宅の雪かきに取り組んでいる。1月中旬から2月半ばまでの週末、住民の声を聞き取りながら、2台の除雪機とスコップを使って作業。毎年、雪に悩まされる地域ならではの共助の仕組みで、住民生活を守っている。 (山本泰平)

 高齢化により自力で除雪ができない住民を支援しようと、赤名自治振興協議会が2018年に始めた。現在は男女各30人程度が所属。20年からは高齢者宅を事前に訪問し、除雪してほしい場所など、雪に関する困りごとを聞く見守り活動にも取り組む。

 29日は「SNOW HELPER(スノーヘルパー)」と書かれたそろいの青い上着を着たメンバー約30人が、子どもたちの通学路にもなる地区中央の通りと、通り沿いの高齢者宅の玄関付近の雪を約2時間かけて取り除いた。

 自宅と車庫の前を除雪してもらった同町赤名の高橋謙二さん(85)は「これで買い物に行けるようになる。体力が必要な作業をやってもらえて大変ありがたい」と感謝し、メンバーに温かい紅茶を振る舞った。自治振興会の岩佐実会長(70)は「除雪を通して交流が生まれる。住民同士で支え合うことが大切だ」と話した。