<短歌>

 ◇湖笛出雲支部(出雲市)

水郷祭をスマホに撮りし孫娘我に花火を見せてくれたり 高橋 雅美

お互いに眠れぬ気配感じつつ虫の声聞く秋夜の長し 山本 卓子

むらさきの蝶ひとつ翔ぶ今朝の庭視野消ゆるまで影を追ふなり 後長美津子

仮宿の電柱一本邪魔をして右に左にハンドル迷う 松原 郁子

窓枠に豆粒ほどの蛙十匹(ぴ)灯による虫待つコンビニの宵 後藤 元興

老いたれば子に従へとて施設へ入りし友は逝きたり沙羅の花散る 木村 悦子

ひと夏の思ひ出胸に立ち行かぬ孫の飛行機雲間に消ゆる 山崎...