島根県内の「第1走者」として走り出す三輪茂之さん=島根県津和=野町鷲原、道の駅津和野温泉なごみの里
島根県内の「第1走者」として走り出す三輪茂之さん=島根県津和=野町鷲原、道の駅津和野温泉なごみの里
次の走者に聖火を引き継ぐ斎藤博之さん(左)=浜田市原井町
次の走者に聖火を引き継ぐ斎藤博之さん(左)=浜田市原井町
沿道の施設職員たちの応援を受けながら、聖火をつなぐ永間清徳さん=島根県川本町川本
沿道の施設職員たちの応援を受けながら、聖火をつなぐ永間清徳さん=島根県川本町川本
島根県内の「第1走者」として走り出す三輪茂之さん=島根県津和=野町鷲原、道の駅津和野温泉なごみの里 次の走者に聖火を引き継ぐ斎藤博之さん(左)=浜田市原井町 沿道の施設職員たちの応援を受けながら、聖火をつなぐ永間清徳さん=島根県川本町川本

 家族、次世代のアスリートへのエール、走ることができる喜びと周囲への感謝―。東京五輪聖火リレーの島根県内14市町村の行程が15日始まった。ランナーたちは、それぞれの思いを胸に秘め、ふるさとや深い縁で結ばれた地域を駆け抜けた。

 県内約170人の第一走者として津和野町を走った三輪茂之さん(61)=山口市小郡下郷、津和野共存病院長=は「聖火は希望の光」との思いを胸に、沿道の声援に応えた。

 三輪さんの次女・広瀬順子さん(30)は、2016年のリオパラリンピック視覚障害者柔道で銅メダルに輝いたアスリート。今も、コロナ禍で環境が厳しい中で、東京五輪に向け練習に励んでいる。「娘の励みになったらいい」と念じた。

 自身もかつては陸上の長距離選手。限界を感じ、大学時代にやめてから40年近く走らなかった。だが4年前に一念発起して欧州各地のフルマラソンに出場している。今は海外へ渡航できないが、コロナの収束後を見据え、娘と共に前へと歩む。

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 30年前から、浜田―益田間駅伝競走大会(愛称・しおかぜ駅伝)の浜田チーム監督を続けている斎藤博之さん(59)=浜田市竹迫町、浜田消防署長=は次代のランナーへエールを送りたいという気持ちで、トーチを手にした。

 チームではこれまで選手約600人と接した。その中でエールを届けたい1人が、東京五輪に手が届くところにいる男子3000メートル障害の三浦龍司選手(順大、浜田東中|洛南高)。15日朝、逆に三浦選手から励ましのメールを受けた。

 「努力は報われ、怠ければ記録が伸びない」。結果が見えるのが陸上競技の魅力だという。

 使ったトーチは、三浦選手が育った浜田陸上教室に持っていき、将来を担う子どもたちに披露するつもりだ。「いつまでも走り続けてほしい」と願う。

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 聖火は海沿いから中国山地へ。仲間の横断幕を横目に、車椅子でつないだ永間清徳さん(75)=島根県美郷町小谷=は、かかりつけの医者に「車椅子でも参加できる。出てみたらどうか」と後押しされたのがきっかけだった。

 左官をしていた50歳の時に脳梗塞を発症。左半身にまひが残り、車椅子生活を余儀なくされた。

 中学生だった前回東京五輪(1964年)では、金メダルを獲得し「東洋の魔女」と呼ばれたバレーボール女子日本代表や、男子マラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉さんの活躍がまぶたに焼き付いているという。

 この日は梅雨入り。入所する施設職員の伴走で走り切った永間さんは「気持ちいい」と、長らく感じたことがなかった野外でぬれることの感触を確かめた。