勢いよく餅を持ち上げる参加者=雲南市吉田町上山、善福寺
勢いよく餅を持ち上げる参加者=雲南市吉田町上山、善福寺

 雲南市吉田町上山の善福寺で12日、180年以上続く伝統行事「餅さし」があり、地元住民が大きな餅を片腕で持ち上げた回数を競った。

 餅さしは市指定無形民俗文化財で、天保11(1840)年、大飢饉や疫病に苦しんだ住民が餅を持ち寄り観音様に供え、五穀豊穣(ほうじょう)を祈ったことが起源とされる。

 餅は円形の大小二つで、重さは計40キロを超えるという。集落内で住民が餅をつき、木枠に挟んで善福寺上山観音堂までの数百メートルを人力で運んだ。道中で「ヤーッ」というときの声を7回上げるのが恒例だ。

 今年は近くに住む力自慢の男性7人が周囲の声援や助言を受けながら挑んだ。上半身が隠れるほどの大きな餅を天井に向かって突き上げると、見物人から歓声が上がった。

 1回も持ち上げられない挑戦者がいた中で、10回を記録して優勝した同町上山の会社員川角大輝さん(28)は「地域のみんなが集まってワイワイできる良い機会。これからも続いてほしい」と願った。

 餅は行事後、小さく切り分けて住民に配られた。
      (山本泰平)