私たちは、地域金融機関と連携して、地域経済の活性化の成果を出してきている。常に感じるのは地域金融機関の関与は不可欠ということだ。地域経済の活性化は、地域の資源を活用して新たな事業を地域で一つでも多く興すこと、新規事業の創出に尽きる。地方大学の研究シーズを事業化するスタートアップ企業の設立や、古民家宿泊施設の開業、1次産業事業者による食品加工工場の新設など新規事業が多ければ多いほど、ヒト、モノ、カネが動き、相乗効果となって地域経済にインパクトを与える。地域金融機関はカネを供給する機能を有している点で、重要な位置づけにあるのは当然だが、もう一つ着目すべき点がある。地域金融機関と地域との関係性だ。
地域金融機関は、長年その地域で金融業を営んでいる。金融取引を通じて多くの地域企業と取引をしているため地域経済の実状を熟知しているし、融資判断をするうえで、定款、登記簿、決算書などの書類やビジネスモデルなどの情報を入手しているから、一社一社の理解度は深い。このように地域企業と広く、深い関係性を有している企業は地域金融機関くらいではないだろうか。私たちは、彼らが有する地域との関係性が、地域経済の活性化において非常に役立っているから連携が不可欠と考えている。
ある地域では、空き家古民家を宿泊施設に改装して観光客の誘致を目指していた。対象となる...
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