昨年夏、自動車メーカーの株式の時価総額ランキングで独フォルクスワーゲンを追い抜き、1位の米テスラ、2位のトヨタ自動車に次いで世界3位に躍り出た中国のBYDが1月31日、日本でEV(電気自動車)の乗用車の販売を開始した。いよいよ「黒船」到来といったところだが、BYDといってもまだピンとこない人もいるだろう。どんな会社で、どんな戦略があるのかを解説する。

 BYDは1995年に電池メーカーとして中国・深■(土へんに川)で創業、2003年から自動車事業に参入した。社名は「Build Your Dreams」の頭文字から取った。08年に米国の著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏が投資したことで名が知られた。日本では15年からEVバスを販売している。

 今年1月30日にBYDが発表した22年12月期の業績見通しでは、...