2023年度がラストランとなる、JR木次線のトロッコ列車・奥出雲おろち号(定員64人)の運行が1日、始まった。初日は島根県内外の鉄道ファンや親子連れなどで満席となり、関係者に見送られて出雲市駅(出雲市駅北町)を出発。好天の下、各駅や沿線で住民に歓迎されながら、春ののどかな田園や山あいを駆け抜けた。運行は11月まで。 (松本直也)
出発式では島根県の松尾紳次副知事や斐伊川・神戸川流域の2市2町で構成する「出雲の國・斐伊川サミット」の首長らがテープカットで祝った。過去に何度も乗車した大阪市浪速区の岡村裕也さん(43)は「疾走感やおろちループの眺めが魅力。ラストランは残念だが何度か乗りたい」と話し列車に乗り込んだ。
関係者に見送られ出雲市駅を出発した後、各地で住民に手を振られながら、桜や菜の花が満開の沿線を、ゆったりと走った。
今期は木次(一部・出雲市)-備後落合駅間を運行し4、5月は例年の週末、祝日に加え、一部平日も走る。乗車券は4月の週末は既に満席状態で、6月以降の運転日は今後示される。
おろち号は機関車、客車、トロッコ車の3両編成で1998年にデビュー。車両の老朽化により23年度で運行終了となり、24年度は木次線に観光列車「あめつち」が乗り入れる。