河井寛次郎の書を紹介する原庸一会長=安来市安来町、観光交流プラザ
河井寛次郎の書を紹介する原庸一会長=安来市安来町、観光交流プラザ

 【安来】安来市出身の陶芸家・河井寛次郎(1890~1966年)の生誕130年を記念した「寛次郎 魂(こころ)のことば展」が20日、同市安来町の観光交流プラザで始まった。寛次郎の文章や詩句をテーマとした作品や資料計約50点を展示している。26日まで。入場無料。

 同市文化協会(原庸一会長)が主催。記念展は昨年開く予定だったが、新型コロナウイルス禍の影響で延期になっていた。個人や河井〓(寛の目の右下に「、」)次郎記念館(京都市)が所蔵する書を中心に紹介した。

 杉板に力強い筆致で「助からないと思つても助かつて居る」と書いた作品は、諦めなければ道は開けることを説き、将棋の故大山康晴15世名人が座右の銘にしたという。ほかに「暮(くら)しが仕事 仕事が暮し」や「手考足思」などの書、陶芸、関連書籍が並ぶ。

 原会長(78)は「寛次郎の言葉は哲学的でもある。それぞれの解釈で味わってほしい」と話した。

       (渡部豪)