全国のメディア、広告関係者が集う第69回全日本広告連盟(全広連)山陰大会が20日、松江市殿町の島根県民会館を主会場に2日間の日程で開幕した。現地118人、オンライン509人の計627人が参加。人口減少や新型コロナウイルス禍で生じた社会生活や経済の変化に対応し、広告を通じて新たな地域活性化の道を開く方法を活発に議論した。 (部田寛孝)
大会組織委員会、全広連が主催。全広連大会の山陰開催は初めてとなる。「ヤオヨロズの英知でつくる広告新話~山の陰から創造の光を~」をテーマに式典、パネルディスカッション、分科会などを開いた。
大会組織委員会の真鍋和彦副会長(日本海テレビジョン放送会長)の開会宣言に続き、松尾倫男会長(山陰中央新報社社長)が「コロナ禍による変化を新しい未来に進むチャンスと捉え、広告が社会をリードしていく」、全広連の大平明理事長が「広告界で英知を集め、変化に柔軟に対応する方策を探りたい」とあいさつ。優れた広告をたたえる「第15回全広連鈴木三郎助地域クリエイティブ大賞」などの受賞者を表彰した。
パネルディスカッションで、藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員、東京からオンラインで参加したデービッド・アトキンソン小西美術工藝社社長、樋口景一・電通グループ執行役員の3氏が、広告界から東京一極集中の経済構造を変えていくべきだと提言。
トークショーには鳥取市出身の漫画家・故谷口ジロー氏と組んで漫画「孤独のグルメ」を描いた久住昌之氏が登場し、山陰の飲食店に立ち寄ったエピソードを披露した。
来賓として島根県の丸山達也、鳥取県の平井伸治両知事、上定昭仁松江市長が登壇。開会に先立ち、出雲市出身のオペラ歌手錦織健氏が、英ロックバンド・クイーンのヒット作など4曲を熱唱した。
大会では、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域に指定された都道府県からの一般参加を控えてもらい、地元を含めた全参加者やスタッフにPCR検査か抗原検査を義務付け「陰性」の結果を参加条件とした。
21日の最終日は関係者による山陰両県の視察を予定する。