急きょ開設した梅雨商品のコーナー=松江市東朝日町、イオン松江ショッピングセンター
急きょ開設した梅雨商品のコーナー=松江市東朝日町、イオン松江ショッピングセンター

 梅雨入りが異例の早さとなり、山陰両県の小売店は雨具などの売り場開設を前倒して需要の取り込みに動いている。寝具やエアコンの販売が好調な半面、梅雨前に売れる園芸用品などは振るわず、嘆き節も聞こえる。

 山陰両県は15日に梅雨入りした。観測史上2番目の早さで平年より22日早い。

 イオン松江ショッピングセンター(松江市東朝日町)は17、18両日で2階の日傘コーナーを急きょ撤去し、手元部分に抗菌加工を施した長傘やコロナ禍で増えた自転車通勤に役立つレインコートなどを並べた。

 じめじめした夜も快適に眠れる敷パッドなどの寝具セットは前年同期比で1・5倍の売れ行き。気圧変化で体調を崩しやすい梅雨時期ならではの健康商品として飲料酢も売れ筋となっており、小倉通彰店長(58)は「梅雨が早まったことで、健康で快適に過ごすための商品の動きが加速している」と話す。

 家電量販店の100満ボルト松江本店(同市乃白町)は梅雨入り発表の15日、売り場で除湿機と扇風機を山積みにして目立たせた。例年は6月初旬に動き始めるエアコンは立ち上がりが早く、1・4倍に伸びている。

 コロナ禍の巣ごもり需要も相まって、米子しんまち天満屋(米子市西福原2丁目)は屋内用のトマト栽培キットやコケなどを育てるテラリウムが好調という。

 一方、ホームセンターのいない田和山店(松江市田和山町)は、本来梅雨入り前に売れる園芸用品や資材、塗料が苦戦している。

 除湿関連や寝具、ムカデ殺虫剤などの梅雨対策商品は前倒しで展開し、売れているが、森山直紀店長(44)は「梅雨入り前に需要が高まる園芸や資材の方が売り上げは大きい。正直困っている」とこぼした。

 (金津智也、岩垣梨花、今井菜月)