下半身が切れて見つかったリュウグウノツカイ(提供)
下半身が切れて見つかったリュウグウノツカイ(提供)
生きたまま捕獲されたサケガシラ=島根県隠岐の島町加茂、島根大隠岐臨海実験所
生きたまま捕獲されたサケガシラ=島根県隠岐の島町加茂、島根大隠岐臨海実験所
下半身が切れて見つかったリュウグウノツカイ(提供)
生きたまま捕獲されたサケガシラ=島根県隠岐の島町加茂、島根大隠岐臨海実験所

 島根県隠岐の島町の近海に仕掛けられた定置網に28日、深海魚のリュウグウノツカイとサケガシラそれぞれ1匹が同時に見つかった。いずれも詳しい生態が分かっていない魚で、島根大隠岐臨海実験所(隠岐の島町加茂)が引き取り、個体を詳しく調べる。

 28日午前、五箇地区沖合の定置網にかかったのを吉田水産(隠岐の島町北方)の漁師が見つけ、実験所に連絡。リュウグウノツカイは全長40センチ弱で下半身が切れて死んでいた。サケガシラは同90センチで生きていた。

 実験所の吉田真明准教授(41)=進化生物学=によると、リュウグウノツカイは幼魚で定置網の中で別の魚に襲われて自ら体を切り離す自切(じせつ)をした可能性があるという。定置網にかかるのは年1、2匹ほどと希少だという。

 サケガシラは成魚で週に1回程度は見つかることから隠岐の周辺に生息域がある可能性もある。すぐに弱るため、生きたまま捕獲できるのは珍しいという。

 吉田准教授は「両方とも分からないことが多い。生まれた場所を調べたい」と話した。 (鎌田剛)