石見銀山の山に掘られた千を超える採掘の跡。そのほんの一端を目にしただけで、岩盤を穿(うが)つために幾度となく金づちが振り下ろされたことを想像して気が遠くなる。そして疑問が生まれる。

 なぜ、人はここまでして銀を求め、銀は誰の手に渡り、どこへ行ったのか?

 その疑問を解く手がかりが...