【出雲】フィンランド出身の出雲市国際交流員、タンヤ・セベリカンガスさんが、多伎行政センター(出雲市多伎町小田)の車庫の壁に横40メートル、縦2メートルの壁画を制作した。フィンランドなどに伝わる幸福を呼ぶ妖精「トントゥ」が、四季に合わせ日本の妖精と日本の文化を楽しむ様子を表した。
タンヤさんは、フィンランドや山口県の大学で美術を学び、2016年8月から国際交流員を務めている。出雲市の姉妹都市フィンランド・カラヨキ市との交流事業で通訳や、同国の料理教室の開催などに取り組み、7月に帰国する。
壁画の制作は多伎地区の地域振興を目指す「多伎元気な会」(田辺達也会長)が主催。タンヤさんが全体のデザインを担い、同会の会員ら約30人とともに1カ月間をかけ、5月中旬に完成した。赤い帽子をかぶったトントゥが抹茶を楽しんだり、浜辺でアマビエと遊んだりする壁画10点をペンキでカラフルに描いた。
28日のお披露目会には、制作に携わった会員らが参加し完成を祝った。タンヤさんは「多伎の人たちがトントゥに親しみを持ってほしい。皆さんのおかげでいい作品ができた」と感謝した。 (井上雅子)