前身の一般社団法人時代を含めて10年間、児童福祉事業に携わる。松江市内で2カ所の放課後児童クラブを運営し、約50人の児童を預かる傍ら、新型コロナウイルス禍を経てクラブに求められるニーズの変化を肌で感じている。「新しい視点に立ってクラブのあり方を模索したい」と前を見据え、新規事業にも意欲を見せる。

 放課後児童クラブを巡る視線はコロナ禍をきっかけに変わったか。

 「コロナ以前は『休みを取りづらい』『残業がある』など、保護者の勤労上の理由から子どもを預けたいというニーズがほとんどだった。新型コロナ感染拡大で、保護者の勤め先がリモート勤務になったり、休みも取りやすくなったりして従来の需要は少なくなった。児童も学校の休校などでおうち時間が増え、家で過ごすことへの慣れや安心感が生まれ、外出できないことへの抵抗感が薄れた。そのことから、児童が帰宅時に1人になるとしても預けない選択をする家庭が増えた」

 放課後児童クラブの需要自体が落ちたわけではない。

 「目線が変わり、...