白塗りの化粧に、真っ赤に塗った丸鼻、ど派手な服をまとった姿は、お世辞にも「格好いい」とは言えない。動きも鈍くさく、公演ではいつも失敗してばかり。でもどこか愛くるしく一番の人気者だ。
登場は開演の少し前から。期待と緊張が入り交じる会場で、身ぶり手ぶりのコミカルな動きや小ぼけを交えて観客を和ませる。「次は何をやらかすのだろう?」。見ていると自然に笑いがこみ上げ、ワクワクとドキドキが止まらない。
ただ、おどけてばかりに見えるが、よく観察すると、多彩でかなりの働き者だ。次の演目までの場をつないだり、ジャグリングをこなしたり、途中休憩に観客と触れ合ったり。舞台と観客を一つにつなぐ重要な役割を果たす。
この重責を担うのは、来日23年になるチリ出身のルイージさん。サーカス一家で生まれ育った生粋のパフォーマーで、ポップサーカスを「世界一のベストサーカス」と評する。
世界13カ国から集まった多国籍な団員たちが今夏、硬軟織り交ぜた超絶パフォーマンスで「夢」の空間を演出する。
(文・勝部浩文、写真・森山郷雄)
公演は7月17日から9月18日まで(毎週木曜と7月19日、8月30日、9月6日は休演)、松江市学園南1丁目の旧島根県立プール跡地広場で。前売り入場券は大人3千円、子ども(3歳~高校生)2千円。当日は各500円増し。問い合わせはポップサーカス松江公演事務局、電話0852(67)7960。