青色使いが特徴的な作品=出雲市天神町、今岡美術館
青色使いが特徴的な作品=出雲市天神町、今岡美術館

 【出雲】近世から現代の日本画壇に影響を与えた画家の作品を集めた「巨匠と出会う名画展」が29日、出雲市天神町の今岡美術館で始まった=写真。県内展示は珍しいという、現代美術で国際的評価の高い千住博氏(63)の代表作「ウォーターウォール」が並び、日本画の巨匠・横山大観(1868~1958年)、平山郁夫(1930~2009年)の作品とともに、それぞれの青色使いが関心を呼ぶ。7月25日まで。

 日本画壇の流れや特色を感じてもらおうと、写生を重んじる応挙芸術を確立した円山応挙(1733~1795年)や大観ら、同館などが所蔵する江戸期以降の画家17人による作品35点を展示した。

 千住氏の「ウォーターウォール」は、鮮やかな青色の中に白色の滝が流れる様子が描かれ、シンプルながら、深みと空気感を漂わせる。平山の「法隆寺の月」は、平山ブルーと称される独特の青色が月夜を表現し、富士山の雪化粧を描いた大観の「霊峰十趣 秋」も山肌が青く色着けられ、それぞれの「青」のこだわりがうかがえる。

 多久博副館長は「ブルーに込められた作家の内面的なものを感じてもらいたい」と話した。

 展示は、午前10時~午後5時で、休館は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)。入場料は一般・大学生600円、シニア・団体500円、小中高校生無料。

      (松本直也)