連携ミスや家庭環境の把握不足、担当者の引き継ぎ不備…。虐待事件のたびに発覚する行政対応の問題。職員も懸命だが、増加する事案の対応に追われ、関係部署の連携による「支援の網」からこぼれ落ちてしまった例は後を絶たない。こうした中、「ネウボラ」というフィンランドの制度を取り入れ、各家庭の担当者を1人に固定し、母子だけではなく父親を含む家庭全体に寄り添う動きが始まっている。支援の「網」だけではなく、親子と行政を1本の強い「絆」で結び、問題を早期発見し解決する取り組みだ。
産前産後の家庭を継続してサポートするフィンランドの「ネウボラ」制度。現地語で「助言の場」を意味する言葉で、各...