説明を読みながら、家紋瓦をじっくり見る親子=松江市殿町、松江城天守
説明を読みながら、家紋瓦をじっくり見る親子=松江市殿町、松江城天守

 【松江】松江市殿町の松江城天守の国宝指定から8周年を迎えた8日、松江城天守2階で掘削調査により出土した松江藩主堀尾家の家紋をあしらった瓦が一般公開され、観光客が見入っている。

 展示するのは松江市が4月から6月まで防火用の配管整備のため、天守北側の地面を掘削調査した際に出土した「瓦敷き」の遺構の一部。

 松江開府の祖、武将・堀尾吉晴の家紋「分銅紋(ふんどうもん)」をあしらった家紋瓦3点と分銅紋の印が見られる瓦の一部18点の全てが展示されている。

 瓦敷きは地面に瓦を砕いて敷き詰めることで天守の屋根から落ちる雨水で土が流れることを防ぐもの。市は瓦敷きは後の京極氏か松平氏が藩主となった時代に屋根瓦の葺(ふ)き替えを経て、再利用されたものと推測している。

 米国ボストン市から観光で訪れた橋本直紀君(10)は「瓦に紋があって面白い。歴史の勉強になった」と話した。

 2024年3月まで展示する予定。天守への入場は大人680円、小中学生290円。(黒崎真依)