大相撲名古屋場所13日目、錦木を破り、勝ち名乗りを受ける伯桜鵬=21日、ドルフィンズアリーナ
大相撲名古屋場所13日目、錦木を破り、勝ち名乗りを受ける伯桜鵬=21日、ドルフィンズアリーナ

 「令和の怪物」の看板に偽りはなかった。大相撲名古屋場所で新入幕の伯桜鵬(倉吉市出身、鳥取城北高出)が千秋楽まで優勝争いを展開。惜しくも賜杯は逃したものの、敢闘賞と技能賞を受賞した▼初土俵から所要3場所で新入幕を果たした19歳。その闘志に火が付いたのが、3勝2敗で迎えた6日目の豪ノ山戦だっただろう。過去3戦全敗の天敵を激しい当たりで退けると「素直にうれしい」と口にする一方、「同じ相手に3連敗した悔しさを忘れてはいけない」とすぐに気を引き締めた▼その後は師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)も実力を認めていた元大関高安や小結阿炎ら実力者を撃破。優勝争いのトップを走る錦木と北勝富士にも土をつけ、場所を盛り上げた▼今場所は実現しなかったが、今後楽しみなのが琴ノ若との対戦だ。小結で11勝を挙げた25歳。祖父は倉吉市出身の第53代横綱琴桜で「大関以上になって、祖父のしこ名で相撲を取りたい」と目標を掲げる。本名の落合からしこ名を改めた伯桜鵬も、琴桜をたたえた大会で、相撲を始めるきっかけになった「桜ずもう」から「桜」をもらった▼新たなしこ名を発表した際、宮城野親方は「これからの活躍で真ん中(桜)が取れるかもね」と、将来的に自身と同じ「はくほう」と読む〝伯鵬〟改名を示唆したという。〝伯鵬〟と〝琴桜〟が優勝争いする日が来るのも、意外に早いかもしれない。(健)