ディズニーの新作実写映画「クルエラ」の日本語吹き替え版で、主演のエマ・ストーンの声を担当した柴咲コウ。「大人になるにつれ自分を押し殺すことが多くなるけど、私のような仕事は自分を信じないとできないという部分で共感できたし、励まされる人がたくさんいると思うんです」
主人公は、アニメ「101匹わんちゃん」でダルメシアンの毛皮のコートを作ろうとした、あのクルエラだ。いかにして彼女は生まれたのか。不幸な少女時代から半生をたどり、ある報復心を抱いてファッション業界でのし上がっていく姿をスタイリッシュに描く。
俳優として演技するのと声だけで表現するのは「全然違うものですね」。同じ声優の仕事でも実写はアニメより制約が多く、難しかった。「(劇中のストーンの)口に合わせなければいけないし、日本語でしゃべっているように見せる必要もある。その中で感情を出さなきゃいけないから」
意識したのは声のトーンだった。「声を張ろうとすると、どうしても高くなるんです。でも(クルエラの)キャラクターとして声を張っても低く、深みが出るのが理想。そこは試行錯誤でした」
声優の仕事は数年前から増やしたいと思っていたという。「海外に比べて日本では感情を内に秘めたお芝居が多いけど、やっぱり外側に出してナンボみたいな時もある。声だけで表現する機会を得て、(演技の)幅が広がるなと感じましたし、声の抑揚の付け方は本当に勉強になりました」