中国山地に抱かれた島根県奥出雲町で肉用牛の繁殖、肥育の一貫経営を手がける。未経験で飛び込んだ牛の世界に約40年間身を置き、今ではスタッフ10人で約1600頭を管理する大規模農場を運営し、島根県産和牛肉の生産基盤を支える。生産資材が高騰する荒波の中にあっても、独自の飼養スタイルや労務体制を貫き、こだわりの牛づくりを続けている。

 ─飼料価格の高騰が続いており、畜産農家は経営に大きな打撃を受けている。

 「世界情勢の悪化を受けたものであり、悲観していても仕方がない。地元にある国産の餌にもっと意識を向け、...