きょうの「明窓」を読み始め「おや」と変化に気付かれた方も多いのではないか。実は文字の大きさをきのうまでより15%程度拡大した。「もっと大きな文字で読みやすくして」という要望にお応えしたが、見た目はいかがか▼当欄の大きさ自体には変わりはない。黒い囲み線をなくし、1行の字詰めを16字から18字に増やした。その分、従来並みの文字量を維持するため、全体の行数は37行から33行へ。ただし「書き写しノート」はそのまま使えるので、ご安心を▼「大きいことはいいことだ」というチョコレートのテレビCMが流行したのが高度経済成長期の55年前。その後は技術革新が進み、あらゆる物が小型・軽量化へとかじを切った。肩掛け式から手のひらサイズに縮小した携帯電話が最たる物▼その携帯はスマートフォンに変わり大型化が進む。大画面で高度な操作を求められるため。本紙デジタル版「Sデジ」では直近の紙面をスマホで閲読できる。文字の拡大も自由だ。明窓の拡大を否定するようだが、紙面と使い分けてほしい▼先に当欄の文字量を「従来並み」と書いた。しかし正確に言えば568字から570字へと増えている。たった2文字と侮る事なかれ。2文字あれば、感動、共感、悲哀、義憤といったさまざまな感情を表現できる。これからも皆さんの心情に寄り添っていくので、少し大きくなった明窓を、引き続きごひいきに。(健)