閉校した出雲市の小学校を舞台にした映画「東小学校」の先行公開が出雲市大塚町の映画館「T・ジョイ出雲」で始まった。8月いっぱいは上映予定で、秋頃から全国公開を控える。映画業界で活動する卒業生で同級生だった2人が監督、カメラマンを務めた。通っていた児童や地元住民が出演し、台本がないという「異色」の映画。舞台あいさつに出雲市の映画館を訪れた2人を直撃し、映画化の経緯や作品について話を聞いた。(Sデジ編集部・鹿島波子)
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映画の舞台は、2021年3月に閉校した旧出雲市立東小学校(出雲市鹿園寺町)。卒業生の映画監督が、地域の子どもに学校の思い出を聞き、映画化に向けて動き出すというストーリー。主演の映画監督役は、県内の高校演劇や雲南市創作市民劇などで脚本・演出する亀尾佳宏さん(49)=松江工業高校教諭。東地区内の大渋山や佐香神社(松尾神社)のほか、宍道湖や出雲空港など地元の風景が映像に数多くちりばめられている。

監督・脚本を務めたのは、出雲市を舞台にした映画「縁(えにし)」(2016)などを手がけた映画監督の堀内博志さん(48)。映像を担当したのは、松江市美保関町が舞台の「いざなぎ暮れた。」(2019)で映像監督だった原俊介さん(49)。「映画化に向けた撮影」を映画にするという、自らの活動をなぞるような設定で、2022年5、6月に2週間かけて、東地区周辺や都内で撮影に取り組んだ。
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―映画を制作しようした経緯は?
堀内 「2020年の春か夏ごろ、同級生がPTAをやっていた関係で『閉校式で流す映像を作ってくれないか』と...