出雲地方に伝わる職人文化の継承に取り組もうと、独自の感性で、草花を再現した作品などを生み出しているアーティストがいる。松江市在住で「手しごと作家」を名乗る野津智恵子さん(41)。手すき和紙の「出雲民芸紙」とイネ科の植物「マコモ」を使い、海外の展示会向けから身近な飾りまで、多彩な作品づくりに取り組む。伝統文化を現代の暮らしにどのように昇華していくのか。本人を取材した。
(Sデジ編集部・鹿島波子)

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▽和紙との出会い


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