現代日本画壇を代表する作家の秀作が並ぶ「第78回春の院展」(日本美術院、足立美術館、山陰中央新報社、TSKさんいん中央テレビ主催)が12日、安来市古川町の足立美術館で開幕した。日本美術院同人の新作や入賞作品など計144点が美術ファンを魅了する。27日まで。
日本美術院による日本画の公募展で、全国の主要都市を巡回。足立美術館では2021年から3年連続の開催となった。
会場には50号までの作品が並び、見どころは同人の作品34点。田渕俊夫さんの「長良川心象 月光」は、岐阜市の金華山に立つ岐阜城と長良川河畔の夜景を描いた。濃い青の夜空に明るい月が映え、岐阜城と麓の現代の建物の対比が興味をかき立てる。
宮北千織さんの「夕映え」は、椅子に座ってこちらを見つめる女性を描いた。背景を木目調の模様で仕上げ、大きな花柄の衣服を着た女性を引き立てている。
一般の作品で、第14回春の足立美術館賞に輝いた岩谷晃太さんの「窯の音(ね)」は焼き上がった陶器がのぞく窯を神秘的に描いた。
開場時間は午前9時~午後5時半。会期中無休。入館料は大人2300円、大学生1800円、高校生千円、小中学生500円。
(桝井映志)