一つのものごとを「見方」を変えて見てみると、それまで思っていた形や様子と全く違(ちが)って見えてくることがあります。見方を変えることで、新しく気づくことがあったり、今まで知らなかったことを知ることができたりします。
今回は、そんな面白い体験をさせてくれる本をいくつか紹介(しょうかい)します。
『どうぶつの わかっていること わかっていないこと』(木下(きのした)さとみ文、吉森(よしもり)太助(ひろすけ)・絵、京都大学野生動物研究センター監修(かんしゅう)、小学館(しょうがくかん)集英社(しゅうえいしゃ)プロダクション)
キリンがほとんど声を出さなかったり、ゾウがものすごく鼻がよかったりと、動物の姿(すがた)や行動にはなぜそうなっているか理由が分かっていないものがたくさんあるそうです。
この本では、これらのなぞに「もしかしたらこういう理由があるのかも」とさまざまな想像(そうぞう)をして考えています。「分からないことを考える」ためにいろいろな見方や考え方をしてみるやり方やその面白さを自然と学べる一冊(さつ)です。
『やさいのはな なんのはな?』(宮崎(みやざき)祥子(しょうこ)・構成(こうせい)・文、網野(あみの)文絵(ふみえ)・写真、岩崎(いわさき)書店)
みなさんは毎日食べている野菜の「花」を見たことがありますか。お店で売られているものや料理した姿は見たことがきっとあるでしょうが、花の姿は見たことのない人が多いのではないでしょうか。
この本では、にんじんやたまねぎなどの野菜の花をクイズで紹介しています。普段(ふだん)よく見ている野菜も知らなかった姿を知ると興味(きょうみ)がわいてきます。
同じようにクイズで、野菜を切った部分のかたちをシルエット(かげ絵)であらわした『やさいの おなか』(きうちかつ作・絵、福音館(ふくいんかん)書店)の絵本もおすすめです。
『すうがくでせかいをみるの』(ミゲル・タンコ作、福本(ふくもと)友美子(ゆみこ)・訳(やく)、ほるぷ出版(しゅっぱん))
どんな人にもそれぞれ好きなことがあると思います。この本の主人公が好きなのは「数学」です。
私(わたし)たちの暮(く)らしている世界にはさまざまな「かず」や「かたち」がひそんでいて、この本ではそれらをいろいろ紹介しています。
人それぞれが自分の好きなことを通して見た世界は、同じ世界でもさまざまな姿に見えてきて、それらをお互(たが)いに知ることは何だかすてきなことに思えます。
さあ、みなさんも本を開いて新しい発見をしてみませんか。
(麻田真(あさだまこと)・鳥取県立倉吉(くらよし)東(ひがし)高等学校 司書主任(しゅにん))