第三章 宝船(十四)

 久太郎は娘の問いを受け流し、懐からおもむろに風呂敷を取り出した。畳の上に静かに広げられたそれはしゃっきりと張りのある塩(しお)瀬(ぜ)、若竹色の地に抱(だき)竹(たけ)笹(ざ...