修繕が進む屋根を間近に眺める中学生たち=鳥取県大山町大山、大神山神社奥宮
修繕が進む屋根を間近に眺める中学生たち=鳥取県大山町大山、大神山神社奥宮

 【大山】日本最大規模の権現造りの社殿を持つ大神山神社奥宮(鳥取県大山町大山)でこのほど、地元の大山中学校の生徒が屋根の大規模修繕の様子を見学した。薄い木板を整然と重ね、伝統技法で修繕が進む様子を間近に眺め、地域の歴史の奥深さを学んだ。

 薄い木板を重ねた「こけらぶき」を施した社殿の屋根が積雪や風雨で傷んだため、昨年6月下旬から工事を進めている。約50人の生徒が、地元の歴史を学ぶ授業の一環で訪れた。

 工事用の足場を使って社殿の屋根近くに上った。職人が杉の板(長さ約30センチ、薄さ3ミリ)を3センチずつずらして重ね、滑らかな手つきで竹のくぎを打つ様子を見学した。社殿傍らでは、専用の金づちを用いたくぎ打ち体験もあった。

 大山中学3年、遠藤朕(じん)さん(15)は「板の並びがきれいで、くぎ打ちはやってみると難しい。大工さんの昔ながらの技術はすごい」と感嘆した。

 工事は11月末ごろまでに全体の3分の2の工程を済ませ、2024年秋には終える見込み。

 8~10日は屋根修繕の一般公開がある。拝観無料で各日5回開き、各回定員は25人。申し込みは7日午後4時まで。問い合わせは、大神山神社、電話0859(27)2345。(佐貫公哉)