DLやまぐち号でJR津和野駅に降り立つ乗客ら=島根県津和野町後田
DLやまぐち号でJR津和野駅に降り立つ乗客ら=島根県津和野町後田

 JR山口線の新山口ー津和野駅を走る観光列車「DLやまぐち号」の秋季運行が7日始まった。名物の蒸気機関車(SL)が修理中で再登場の見通しが立っていない中、昨年に続き、ディーゼル機関車(DL)が津和野の秋の観光をけん引する。

 DLやまぐち号は、11月19日までの土、日曜日や祝日を中心とした16日間、1日1往復する。

 午後1時ごろ、ディーゼル機関車に引っ張られた5両編成の列車が、島根県津和野町後田の津和野駅に到着。九州など県外から来た乗客が、駅のホームで列車のヘッドマークを前に写真を撮ったり、城下町の風情が残る津和野の町並みの散策を楽しんだりした。

 駅内では、町観光協会による売店も開かれ、弁当や名物の源氏巻きなど土産品の販売もあった。北九州市から来た小学4年生の佐々木陽向子さん(9)は「列車からの景色がきれいで、楽しかった」と満足した様子だった。

 ただ、同じDLの運行で昨年は200人を超えた乗客数が、この日は約60人と減少。観光協会は、SLが8月から9月にかけて試運転されたことで、「復活が近づいている」との期待感から、乗り控えがあるとみている。

 JR西日本中国統括本部によると、現在は試運転時のデータを解析中で、10月末ごろには再び京都市内の車庫で定期点検を実施する予定だという。
 (藤本ちあき)