石見銀山捲き上げ節を披露する地元住民=大田市大田町、市総合体育館
石見銀山捲き上げ節を披露する地元住民=大田市大田町、市総合体育館

 石見銀山の採掘時に女性たちの労働歌だった「石見銀山捲(ま)き上げ節」を島根県フォークダンス連盟などが復活させ、大田市大田町の市総合体育館でこのほど開かれたフォークダンス大会で披露した。会員250人が歌って踊り、重労働に従事した当時の女性たちに思いをはせた。

 捲き上げ節は作業効率を上げるために歌われた坑内唄の一つ。1887年以降に歌われるようになり、銀山閉山後の1969年の国史跡指定に合わせて、踊りも新たに考案されたが、音源や動画は残されておらず、消滅の危機にあった。同連盟会員で島根県立大の梶谷朱美教授(体育教育学)が地元の大森町住民と協力し、映像に残す取り組みを進め、ユーチューブで公開した。

 この日はプロジェクトに携わった地元の9人が踊りを披露し、県内全域から集まった連盟会員250人に伝授。皆で円陣を組み、節に合わせて踊り合った。

 捲き上げ節は、日本フォークダンス連盟の「ふる里の民踊」に認定されており、県フォークダンス連盟の出構弘美会長(67)=大田市大田町=は「全国で踊ってもらえうよう広め、石見銀山を一層盛り上げたい」と意気込んだ。(勝部浩文)