第四章 大冴え(二十四)

 寅蔵は首を傾げつつ松と梅の枝を壺に挿し、鏡餅も羊(し)歯(だ)や昆布で飾って床に置いたのだが、やはり掛物と雰囲気が合わないような気がする。

 師匠は町人学...