島根県奥出雲町内の児童が1日、鳥上小学校(奥出雲町大呂)内の古代たたら体験学習工房で鉄づくりを体験した。9小学校の5、6年生約100人が2日にわたって参加し、粘土で作った炉の中に、砂鉄と木炭を入れて鉄を作り、町内でかつて盛んだった、たたら製鉄の歴史と文化に触れた。
たたら製鉄を営む、近くの「日刀保(日本美術刀剣保存協会)たたら」の木原明村下(むらげ)=技師長=(88)たち4人が指導。1日は、村下役の児童による「砂鉄を入れてください」などの指示に従い、砂鉄と木炭を交互に投入し、炉の温度を上げるために、交代しながらふいごで風を送った。終盤には、砂鉄が溶けてできた塊を取り出す「鉧(けら)出し」に挑戦した。
2024年3月で閉校する鳥上小としては、最後の参加になる。6年の野村彩人君(11)は手袋をしていても炎の熱さを感じたといい「20年前から続いていて、日刀保たたらの方はずっと体験の準備をしてくれている。歴史を感じた」と話した。工房は、鳥上小閉校後24年度以降も使い続けるという。(狩野樹理)