①STV杯国際ジャンプ大会で2回目の飛躍を終えて取材に応じる葛西紀明選手=1月21日、大倉山
①STV杯国際ジャンプ大会で2回目の飛躍を終えて取材に応じる葛西紀明選手=1月21日、大倉山
②ポルトガル2部リーグでプレーする三浦知良選手=1月6日、オリベイラデアゼメイス(共同)
②ポルトガル2部リーグでプレーする三浦知良選手=1月6日、オリベイラデアゼメイス(共同)
①STV杯国際ジャンプ大会で2回目の飛躍を終えて取材に応じる葛西紀明選手=1月21日、大倉山
②ポルトガル2部リーグでプレーする三浦知良選手=1月6日、オリベイラデアゼメイス(共同)

 日曜日、本紙スポーツ面の短信記事を読んで「おっ」と声を上げた。札幌市であったノルディックスキージャンプ大会で51歳の葛西紀明選手が優勝、50代で初めての勝利だった。「この年ですごいじゃないですか。まだまだ頑張ります」と笑顔を見せたレジェンドに歓声と拍手が送られた。

 同じ日、もう一人のレジェンドが海の向こうで元気な姿を見せた。56歳の「キングカズ」こと三浦知良選手。国内の最年長プロサッカー選手であると同時に、Jリーグ発足時からプレーを続ける唯一の現役選手だ。現在はポルトガルのチームに所属し、今季4度目の出場を果たした。

 2人には共通点がある。挫折を経験していることだ。1998年、葛西選手は長野五輪で金メダルを獲得した団体での出場を逃し、三浦選手は日本が初出場したワールドカップのメンバーから落選した。三浦選手の「人生は成功より失敗の方が多い。へこんでも自分の原点に戻って乗り越えることが大事」との言葉は重い。

 もう一つの共通点は笑顔だ。2014年ソチ五輪で挫折を乗り越えて最年長メダルを獲得した葛西選手は終始笑っていた。長年指導した関係者は「笑顔が自然とあふれるチーム、選手はいい結果を自然と残す」と著書に記している。

 「遠回りをしたことで得るものもある」「和顔愛語」。全力で人生を駆け抜けるレジェンドから、勇気と大事なことを教えてもらった。(添)