東日本大震災を詠んだ俳句で知られ、東北の地に根差した句作を続ける高野ムツオさん。亡き師らの存在が言葉を紡ぐ土壌になっている。「詩歌には今生きている人間の力だけでなく、死者の魂の力もある」と強調する。

可能性を論じる

 宮城県栗原市出身。父について寺での句会に顔を出し、小学4年で詠んだ〈夏の雨うるさくひびく夜の寺〉が俳人阿部みどり女に褒められ、句作の道に。風の音の...