竹島周辺へ行った久見の漁師について語る八幡智之さん(中央)=島根県隠岐の島町久見、久見竹島歴史館
竹島周辺へ行った久見の漁師について語る八幡智之さん(中央)=島根県隠岐の島町久見、久見竹島歴史館

 島根県が条例で定める2月22日の「竹島の日」を前に、隠岐の島町立西郷中の生徒が14日、同町久見の久見竹島歴史館を訪れ、竹島周辺でアワビなどを採っていた漁師の孫から、当時の様子を聞いた。現在とは桁違いの漁獲量などを聞いた生徒たちは、島に強い関心を抱いた。

 1年生49人のふるさと学習の一環で、15日までの2日にわたり実施。管理人の八幡智之さん(71)がが写真パネルの前で、昔から久見の漁師たちが出漁した史実や、韓国の不法占拠について解説した。

 智之さんは、竹島周辺でかなぎ漁をしていた八幡伊三郎さん(1894~1988年)の孫。「おじいちゃんは竹島を鮮明に記憶し地図を残した」と、地図の複写を見せた。アワビを1日370キロ採った記録があり「今は久見で一日頑張っても5キロしか採れない。竹島がいかに宝の島だったかが分かる」とした。

 竹島での漁業経験者は亡くなり、当時の話を聞いたことのある世代も高齢化しているため「みんな竹島に行ってみたいが、もう時間がない」とも述べた。

 講話を聞いた奥森美月さん(13)は「初めて知ることがたくさんあった。私も竹島に行きたいと思った」と話した。
 (鎌田剛)