クレーンで下ろされる本通り商店街の看板=米子市東倉吉町
クレーンで下ろされる本通り商店街の看板=米子市東倉吉町

 米子市中心部の紺屋、四日市、東倉吉3町にまたがる本通り商店街で14日、老朽化に伴い撤去工事が進むアーケードの看板が下ろされた。「米子ほんどおり」と書かれ、国道9号に面して掲げられた「商都」の象徴で、市民が足を止めて作業を見守った。

 アーケードは1972年に改修された2代目で、全長295メートル。今週いっぱいで屋根や支柱を含む構造物の撤去作業が終わる。縦約2メートル、横約8メートル、重さ1トンを超える看板は、高所作業車に乗った作業員が鉄骨の溶接部分をバーナーで切り離し、クレーンで下ろした。

 かつてアーケード街で軒を連ねていた市内の自営業の男性(80)は自転車で乗り付け「商売のスタートがここだった。時代の流れだと思う」と寂しがった。

 市は2024年度以降、一帯の公共下水道整備とともに、商店街を通る市道の路面整備で「歩きたくなるまちづくり」と絡めた新たなにぎわい創出を目指す。本通り商店街の屋根の撤去により、市内では「える・もーる1番街」(角盤町1丁目)が唯一のアーケード商店街になる。(吉川真人)