東日本大震災の発生から11日で13年を迎えた。人口減少が進む中で東北を襲った巨大地震と東京電力福島第1原発事故は、人々の暮らしをどう変えたのか。記者が現地を訪れ、被災地のいまを見た。
(報道部・森みずき、政経部・堀尾珠里花)
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「津波が来るかもしれないと、教えなきゃいけなかった」。今月7日、言葉を絞り出すように語った東日本大震災・原子力災害伝承館(福島県双葉町)のチーフアテンダント泉田淳さん(64)から、消えない後悔が伝わってきた。
東日本大震災が起きた13年前、高台にあり、避難所に指定されていた福島県南相馬市の小学校で教頭をしていた。
「子どもたちを連れて帰らないでください!」
校庭で怒鳴るように繰り返し叫んだ。...