「あたしゃ○○だよ」。小学3年らしい幼い声なのに、どこか冷めたような口調。人気テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』の主人公・まる子役を34年余り演じてきた声優のTARAKO(たらこ)さんが亡くなった。
訃報が届いた前日には、『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』で知られる漫画家の鳥山明さんの死去が伝えられたばかりだった。鳥山さんは68歳、TARAKOさんは63歳。あまりに早い旅立ちだ。
TARAKOという芸名は、『サザエさん』に登場するタラちゃんのようなしゃべり方だったことで、学生時代に友人から付けられたニックネームに由来するという。<胸つまる「何だい?まる子」言えなくて>-友蔵 タラちゃんに捧(ささ)ぐ心の俳句。おじいちゃん(友蔵)役の島田敏さんのコメントから、「タラちゃん」の愛称で仲間から親しまれた様子が思い浮かぶ。
まる子役に起用されたのは、作者のさくらももこさんと声が似ていたから。さくらさんが6年前に53歳で亡くなった際に、こんなコメントを残していた。「早すぎます。まだまだやりたいことがいっぱい、いっぱいあったと思います」「私がそっちにいったら似たような声でいっぱいいっぱいお喋(しゃべ)りしてくださいね」。
今頃、2人でいっぱい、いっぱい会話を楽しんでいるに違いない。ただ、日曜の夕方を楽しみにしているファンは、こうつぶやいているだろう。「あたしゃ寂しいよ」(健)