日銀はデフレ脱却のために導入したマイナス金利政策の解除を決めた。賃金と物価がそろって上昇する好循環が実現する確度が高まったためで、実に17年ぶりの政策金利引き上げとなる。利上げが日本経済に及ぼす影響や今後の金融政策運営について、識者2人が論じた。
立正大経済学部教授 村田啓子
追加利上げ、慎重に検討か
日銀が19日の金融政策決定会合で「異次元」と称される大規模金融緩和策の柱であるマイナス金利の解除を決めた。企業短期経済観測調査(短観)や経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表する4月まで待つ選択肢もあったが、大規模緩和が金融機関の経営に及ぼす悪影響に配慮したのかもしれない。政策金利の引き上げはリーマン・ショック...












