
ーエネルギー関連事業を展開してきました。2024年11月に30周年を迎えます。
1994年に父親が会社を立ち上げ、2013年4月に社長に就任しました。
当初は太陽熱温水器を取り扱い、2000年に住宅用太陽光発電システムの販売と施工を始めました。太陽光発電は固定価格買取制度(FIT)で需要が拡大しましたが、売電価格の引き下げにより売り上げが落ち込むこともありました。
現在では、太陽光発電でつくった電気を売るのではなく、蓄電池に蓄えて自宅で使う自家消費が注目され、太陽光発電が見直されています。
ー 自治体の取り組みに積極的に協力しています。
23年12月、大田市仁摩町大国の道の駅ごいせ仁摩と同市大森町の石見銀山世界遺産センターに「防災タワー」計2台を贈りました。スマートフォンの充電に使えるUSB端子を備え、災害用の蓄電池や充電用ソーラーパネルを収納しています。
島根県邑南町の新電力会社「おおなんきらりエネルギー」には、町内外の10事業者で共同出資し、地域で発電した電力を地域で消費するエネルギーの地産地消を目指しています。
いつ起こるのか分からない災害に備え、できることに取り組み、地域貢献していきたいと考えています。

ー 今後の事業展望は。
住宅用太陽光発電だけでなく、法人用の受注も増加しています。太陽光発電と蓄電池を活用した電力を事業者らに直売する「PPA事業」やサブスクリプションなど新たなサービスへの問い合わせが増えており、サービスの拡充を予定しています。
世界的な脱炭素に向けた流れの中で、再生可能エネルギーは「あってもなくてもよいもの」から「なくてはならないもの」になりました。昼間は太陽光で発電した電気が余って出力を制御されるなど、せっかく生み出したクリーンなエネルギーが使われずに捨てられています。
そのような状況を減らせるよう、再生可能エネルギーを暮らしの中にうまく取り込んでいくことがわれわれの役目であると考えています。

将来を担うのは、若者たちです。さまざまなことを経験する中で、自分が何をしたいかを考えてみてほしいです。今の世代は、SNSをはじめ情報を扱うことが上手です。得意分野を伸ばし、生かしてほしいと思います。
藤原一美氏=松江市出身(53歳)ブライダル会社に20年間勤務した後、2012年に創業者の父の急逝をきっかけに東洋ソーラーに入り、13年に社長に就任。
趣味は釣り、ゴルフ、バイクです。釣りは1級小型船舶免許を持っており、春は青もの、夏は白イカなどを狙って海に出ます。ただ、最近は仕事の付き合いも兼ねながら、専らゴルフに熱を入れています。